風を読もうとして
青空の中に人差指を立てた
風上から風下へ
紙飛行機は滑っていった

時を堰き止めたくて
夕焼けの中で小指を絡めた
川上から川下へ
笹舟は忘れ去られた

水面に浮かびながら
約束に薬指を捻じ込んだ
日常から日常へ
あやとりは続けられた

季節に肩肘張ったら
温もりが中指から零れた
明日から昨日へ
竹とんぼは墜ちていった

前を向いていたくて
青空の中に親指を立てた
からからからと
かざぐるまは回り始めた

投稿者

東京都

コメント

  1. それぞれの指にそれぞれの詩がありますね。
    各連のそれぞれの最後の詩行が具体的な表現で出来ていてリアルな感じを受けます。
    すてき。

  2. @こしごえ さん
    >コメントありがとうございます
    未だに消えない情景の中にそれぞれの指を置いてみました。
    それぞれの連の最後は古の遊び道具シリーズです。
    まあ、雰囲気ということで (笑)

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