龍を見た君

どんよりした雲に寂れた家屋
一体何が撮りたくて君はこの写真をそこに置いたのだろう

よくよく見てみると
雲に手が生え
口が出来
次第に形作られていく

あ、

龍か

でも君はそんなこと一言も言わずにその写真をそこに置くから
うっかり見逃す所だった
そうだと思って目に留まれば
こんなに大きいのに
こんなに綺麗なのに

何だ、真実の君か
君を見つけて欲しかったのか
華美に飾らず
それでも逞しく綺麗な君自身を

悪かった
そっくりじゃないか

良かった
出会えて良かった
見逃さずに済んで良かった

そうと分かれば真っ直ぐに見るよ
雲のように消え逝かぬように
しっかりとこの眼で

投稿者

神奈川県

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。