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ひとつの種から
根が出て
芽が出て
やがて双葉
茎が伸びて
葉が茂って
花をつけるわけではなく
上から三番目の葉から
ぶらさがった根が
土に届いたあたりから
いきなり伸びた茎が
種と芽と双葉を貫いて
青空を目指してしまう
忘れた頃に葉は茂るが
滅多に花は咲かない
詩の生え方は
いつもそんなものだ
たとえば
暮らしと暮らしの狭間で
偶然見つけた詩らしき種に
欠かさず水をやったところで
詩など生えてこないが
悲しみに耐えかねて引き千切った葉から
怒りに任せて引っこ抜いた根から
喜び勇んで踏みにじった花から
詩は生えてくる
まったく厄介で
面倒臭いことこの上ないが
やめられない
コメント
拝読させていただきましてコメントを失礼致します。
私は第一連目と、第五連目のような…認識が気持ちの
何処かにあったかもしれません。
滅多に花は咲かない
詩の生え方は
いつもそんなものだ
私は…なにかにとらわれていたかも知れないと、
自分の創作活動を振り返って感じました。
どうもありがとうございました。m(_ _)m
@リリー さん
>コメントありがとうございます
あ、これはあくまでも私の癖のようなものです。
糸口が見つかればそこからずるずるとひっぱり出せるのですが
その糸口がとんでもないところにあったりします(笑)
書き方は人それぞれですよね。だから面白い。
すっごく共感でした。詩を書く時って、感情が書かせるものがすごく訴える力を持っていると思います。
怒りや悲しみを鎮めたり、生きていくために、どうしても必要なものだからかもしれませんね。
@ザイチ さん
>コメントありがとうございます
詩も写真も、まず感情が動くことから始まりますよね。
同時にフレーズが浮かんでくることもありますが
ほとんどの始まりが「あっ!」とか「おおっ!」なので
そこから、詩の言葉を掬い上げるのに四苦八苦です(笑)