幽霊と初雪
雪は感傷の色がする
雪は罪悪の味がする
だから僕は、固めた雪玉を月に透かしてみた
どちらが月なのか、分からなくなった
雪が積もれば積もるほど、前後不覚になる
かつての残響と、今の僕は同じだ
初雪 降らば立ち去り 降らねば留まり
雪は感傷の色がする
雪は罪悪の味がする
だから僕は、雪と一緒に夜に溶けていった
消え入るように、染み入るように
行方のない感傷を、結末のない罪悪を
真っ白な冬色よ、この心ごと洗い流してくれ
初雪 降らば立ち去り 降らねば留まり
足をとられて転んでしまった
冷たさが妙に心地よかった
体温で雪が溶けていくのを感じて
僕は慌てて起き上がった
時間はただ立ち去るばかり
過去に目もくれず立ち去るばかり
僕らはきっと在りし日の幽霊
初雪は今まさに過去になる
僕らは
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