8.178
ここは水底、光なき静寂の底
誰にも気づかれない静寂の底
世界すらも忘れ去る静寂の底
すべてが眠りにつく静寂の底
闇は覆うものではなく落ちるものだと
孤独なシーラカンスは謡う
光に誘われた小さな潜水艦は
突如として現れた大渦に呑まれていった
プランクトンは流星群のように
闇の中、ぽつぽつと明滅を繰り返す
それがどんなに虚しいことか
それがどんなに寂しいことか
沈め沈め、誰も見えぬ誰にも見えぬ
沈め沈め、何も聞かぬ何も聞こえぬ
鎮め鎮め、ここは今あまねく星屑
鎮め鎮め、ここは今行方なき暗黒
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