神様と林檎の歌

鬱血したコンクリート
熱で歪んだ鉄格子
瓦礫に天使のグラフィティ
顔には大きなバツ印

世界にただ一つ残った木には
太陽のような林檎が生っていた
腹が立ったから齧ってみたが
とても食えたものではない

毒のようにしみ込んだ熱
それは蛇のようにうねり
私の体を喰らう
私の心を喰らう

ここに救いはない
ここに神はいない
せめて震えるのみ
せめて唱えるのみ

「ハレルヤ」——夜明けはまだ遠く
「ハレルヤ」——朝焼けはまだ遠く

投稿者

大阪府

コメント

  1. 肉感的な神は、なかなか林檎からは、出て来ません、精神的な神は、土から生まれてくるのかも、しかし土は苦いもの、林檎を選ぶべきなのか、それとも神を選ぶべき、なのか、・・・、言葉の「質感」に「美味しい」を感覚しました。

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