光の小径(心の襞)
一
私の琴線に触れた貴女の優しさは
斜陽に愁いを露にする私の脆弱な心の襞を
そっと包み込んでこの小径の先へと運んで行った
深まりゆく俗世の蟠りにそっと光を当てる貴女と
その光によって威光勢力を増す私の影
貴女がそっと触れるだけで解けていく
絹糸のごとき繊細にして無垢な心
赫々と昇りゆく陽に手をかざし
零れてくる光だけを頼りに私は迷走する
亜麻色に輝くこの小径を貴女は駆け抜け
私はその影を追い続けている
貴女は私に多くの翳りを齎しては
私の心を虜にして放さない
足早に去っていく生の営み
翳りを齎す老いへの憂い
迷走の本源となる障害
そして生の営みの終焉
避けては通れぬこの道を
燦々と照らし輝かす貴女のほほ笑み
六道を離れ開き往く我が生命に祝福を
愛するあなたへ
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