龍木(りゅうぼく)
枯葉を手に握り回し粉にすると
それは
キクリス キクリスと
指からこぼれ落ちる
秋晴れの空は高く
送電線の頭上に
飛行機曇
今日俺をここに
いざなうだけの為に
この木はずっと
ここに立っていたのかと
思う時
否応無しに郷愁が俺を襲う
手のひらを木に
そっと当てがうと
血の叫びを聞いた
大切なのはattitudeだ
君が闘いを仕掛ける時に
思い出して欲しい
何千年何万年の間
流れた涙が
土を濡らし
木々を育てたのか
そして
龍木から龍は立ち昇り
月を曇を超えて
地平へと進む
風になびき
君に伝える印画紙の中に
龍の叫びを聞け
死をも超える時の中
君のまぶたが
そよぐ間に
骨はその手を
枝を伝い
天に向かって
伸ばしている
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