友だちいますか?

小学生の頃のわたしは
誰ともしゃべらなかった
帰り道はいつもひとりだった
本ばかり読んでいた
友だちはいなかった
無理して話しかけてくれる子がいたけど
わたしは何も言わなかったから
誰も話しかけてこなくなった
いつもひとりで本ばかり読んでいた
図書室のシャーロックホームズシリーズは独占し
赤毛のアンは何度も読んだ
マザーテレサに憧れて
川端康成も全部読んだ
そんなわたしが高校生になって
初めて友だちができた
その子も本が大好きで小説家になりたいと言って
自分で書いた小説を読ませてくれた
あまり面白くなかったけど
感想を聞かれたときは
いつも「すごいね」って答えた
夢を持っている彼女は
まだ夢を持っていなかったわたしにとって
すごい励みになったからだ
同じ大学に進学したけど
宗教に勧誘されてから
彼女とは距離をおくことにして
また友だちのいないわたしに戻った
小学生の頃のわたしは
友だちがいないのはだめな子と言われ
自分でも人間失格だと思っていて
自己肯定感はゼロだった
でも大学生になった頃から
友だちはいなくても何も困らないことを経験し
友だちはいなくてもいいのだと確信した
初めてひとりでニュージーランドに行って
自分に自信がついたわたしは
ひとりでほぼ何でもできる女になった
モンシロチョウはひとりで気ままに飛び回り
セミはひとりで泣いている
友だち友だちっていうのは人間だけで
人間だってひとりで生きていいのだ

投稿者

兵庫県

コメント

  1. セミは一人で泣いている
    素敵過ぎます

    街道を走るバスに乗って集中力を高めていると
    いつも孤独を理解する
    無知は孤独を理解できません

  2. @那津na2様
    コメントありがとうございます。孤独を理解できる人がもっと増えてくれることを願っています。

  3. 友だちというのは、作るものではなく、結果だと思うのです。そこそこ生きてきて、実感しています。友だちがいてもいいし、ひとりも、いい。セミはひとりで泣いている すてきなフレーズですね。 

  4. @長谷川 忍 様
    コメントありがとうございます。若い頃はうるさく感じたセミの声、今は愛おしくて共感できるようになりました。

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