淡雪

 雪の夜を誰が知ろう
 本当の雪の夜の事を誰が知ろう

 夢を捨てて
 肉の滅びない死をとげた女の
 かたくなった頬に
 一ひら 一ひらの淡雪
 音もなく
 湖にも降り溶ける時の
 夜が全て虚しくする瞬間を

 立ち尽くす足許の小砂は嘘
 しんかんと耐える松の林も嘘
 茫茫と拡がった湖に
 溶けて行く雪だけが本当のもの

 湖の彼方に何かがあるとすれば
 それは置き捨てた私の魂
 次第に暗く沈んで行く時
 確固としたものになっていった

  奈落の雪よ
  いまは何と悲しい季節

投稿者

滋賀県

コメント

  1. この詩を拝読して、この詩から、しんしん、と詩の雪がしみてきます。
    夏に雪の詩、おつな味わいです♪

    ちなみに、私は豪雪地帯の雪国に住んでいます。冬の雪下ろし(屋根の除雪)等は命がけです。ふふ。でも、その除雪作業もどの道やるしかないんだから、楽しめればいいなぁ、と思うようにしてます。実際、除雪の作業は大変ですがおもしろいです。うん。雪下ろし作業の休憩中の屋根から空を見上げたりするのが好き。雪の日が多いですが、冬は滅多に晴れない貴重な青空の日の屋根からの眺めは最高かな。ふふ、と出来るだけ思うようにしてます。(雪話を聞いてくれて、ありがとうさま、拝礼 ^-^)

  2. 淡雪がしんしんと湖に、地面に、積もらずに染み込んで溶けていく虚しさと、人知れず夢を捨てた魂が、消えていくようでそこしっかりと残っているのを感じました。
    詩を読みながら、言葉が下に染み込んでいくような感じで、淡雪が降り続く背景がイメージされ、情景と芯のある思いが、上手くマッチしているように思いました。

  3. @こしごえ
        様へ

     お読みいただきまして、ご感想と素敵な雪話をお聞かせくださいまして
    とても嬉しい!です。どうもありがとうございます。(*^^*)ゞ
     ああ、雪の日の晴れた日の…屋根の上から見あげる青空!どんなに、眩しい
    ことでしょう。積もった雪に陽ざしの照り返しがキラキラと光って見えるよう
    です。
     こしごえ様の作品には、いつも味わい深くこころ包まれる様な優しさを、感じ
    るのことができます!
     作品に、お声を掛けていただけますと大変励みになります。
     是非これからも、こんな素敵なお話などをお寄せくださいます事を楽しみに
    お待ち致しております。(*´∇`*)

  4. @ayami
       様へ

     こんにちは。(╹◡╹)ayami 様、コメントをお寄せくださって
    とっても嬉しいです!どうもありがとうございます。♪
     他にも何作かお読みくださいました事、感謝致しております。

     7月も後半に入り、夏本番。雪の話もまた良いかと思いまして
    こちらの作品を仕上げてみました。
     丁寧に読み取ってくださり、お褒めいただきまして本当にありがとう
    ございます!(o^^o)
     ayami 様の作品へまた、私もコメントをイソイソ♡ゞと寄せさせて
    いただきたいなぁっと、思っております。次作、楽しみにお待ち致して
    おります。(*´∇`*)

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