立秋に

日射しが熱くて
大きな日陰に足踏み入れてほっとする
まだ夏寄りの道

午後の日射しにちりちりひかる
行く手に浮かぶ羽虫たち

羽虫を追って飛び交う羽は
同じ色してぴらぴらひかる
四枚ずつの、トンボの羽

 ーー今年はトンボが多いみたい

夏と秋のあいだの
昼と夕のあいだで

銀色と金色のあいだの色をした
ひかりのあいだを歩いている

うれしいとかなしい

投稿者

新潟県

コメント

  1. 羽虫が光によって光るのや、トンボの羽が光るのも見たこと何度もあるので分かります。きれいですよね。
    この詩では、その様子が適切でかわいいオノマトペなどでシンプルに表されている分、想像力をかき立てられます。
    そして、最終行の うれしいとかなしい が、この詩を飛躍させて、この詩の強度を強くしていると感じます。
    すてきな詩です。

  2. @こしごえ
    こしごえさん、わかってもらって嬉しいです。
    現代詩は共感ばかりでは足りないのかもしれないけれど、
    読んだことで、心に浮かぶものがあることを感じていただけるのが、嬉しいです。

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