魔術

命の果ての地平線で
百億の虹がいっせいに開く
真っ白な光の裏側で
音が凍りついて花みたいに燃える

わたしはアンドロメダの踊り子
わたしは約束された期限付きの祝福
わたしは届けられることのない督促状

耳の奥に呪文
蜜蝋のように
あたたかく甘く

市民プールの澱んだ水の中に
いくつもの銀河系が誕生する
まやかしの錬金術
ディストーションと遠雷

すべての許されざる者たちよ
すべてのまつろわぬ者たちよ
すべての名もなき者たちよ
集え そして歓喜の歌をうたえ

塩素ナトリウムの夕立が
爆発的に降り注ぎ
最後の一滴が搾り尽くされると
それを合図に
死に絶える

投稿者

大阪府

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