At The Table 〜御幸通りコリアンタウン・ニ

　なぜ　こんなところで
　という問いかけを
　彼女へ投げるわけにもいかず
　写真を撮るわけにもいかないワンカット

　そこで食事をする彼女と出逢わなかったら
　きっと　韓国文化が凝縮された若々しく
　きらびやかな印象を抱き　後にしただろう観光地

　広い一本道は圧倒的に女性が多く
　両脇へ目を走らせる私達は
　どこの店舗へも入ってみようという気分にならない
　エトランジェ

　すれ違う　お洒落な女の子達のみずみずしい騒めき
　辺りは食べ歩き天国
　活き活きと　軽やかに弾む風が吹き抜ける

　其処で、目にした小学五年生ぐらいの女の子
　太い電信柱を正面にして
　どっかり　腰を下ろし
　デニム地の短パンから肉付きのよい脚が
　あぐらをかく

　ポッチャリした体格で
　ふてぶてしさと愛らしさが　ない混ぜになった面ざしの
　彼女は　まるで我が家の食卓であるかの様に
　スポーツドリンクを飲みながら
　食事をしているのだ

　（何を、食べてるんやろうなぁ？のぞくわけにもいかへんし。）
　強く　ココロ惹かれる観光地のクレヴァスに、
　私達の足は佇んでしまった