あの河のほとりで
湯元の渓流沿いにある鄙びた宿
朝方 挨拶して散歩へ出掛ける私の背中へ
「どこまで、行くの?」
呼びかけた女将さん
人影も無い 河原
架かる古びた木造の橋を
渡るでもなく
ながめていると
私とは別の次元、未知なる運河で
隔たれてしまった
母を想った
たまに 出かけてみた一人旅
かなしさが心から脱け出して
私の前に姿をみせた
こんな大きいものが、入っていたのか
と 驚く程それは
おおきくって生々しかった
そうして
あの河のほとりに居た私の過す日常、
暮れていく 薄ら陽の西に
比叡山がまだ明るくあった日
並木続く 湖畔の道を駆け去る一群の少年達
その細く伸びた脚へ
ふと目を凝らしたのだった
コメント
全体あってのそれなのでしょうが、最終連が特に好きです。
@こしごえ
様へ
お読みくださって、いつも本当にどうもありがとうございます!
コメントをお寄せいただき、とっても嬉しいです。(*^^*)ゞ
自宅近くの、レークサイドホテルに合宿中の学生さん達や
市内の高校生達が、部活動で湖畔のウォーキングロードを
走っている姿、よく見かけるのです。私は、すがすがしくって
好きなのです。それで、この作品の最終連に…描きました。
こしごえ様に、読み取っていただき最終連を好きだと感じて
もらえました事が、私の喜びになりました!♪
こしごえさんと同じく私もそう思います。予測できない最終連がしかしとてもしっくりときて全体を締めていると思います。
@たかぼ
様へ
お読みいただきまして、ご感想のメッセージをどうもありがとうございます!(*´∇`*)
実は、この作品…最初もっと長くて、まとまりのない原稿でした。かなり内容を
削ぎ落とし、改稿したのです。たかぼ様からのお言葉、たいへん嬉しく思います。