渡り鳥

月の工場で生産された蝸牛が
地表に降り積もっている

渡り鳥の真似が得意なのに
飛ぶことができないわたしを
鳥たちは連れて行ってはくれない

夜明けとともに
蝸牛は溶けてしまうので
月の工場のことは誰も知らない

見ていた人も一緒に溶けていくから
語り継がれることなく
わたしも溶けてなくなる

投稿者

コメント

  1. シュールレアリズムの絵のよう。静謐な。

  2. たもつさんはいったいどういうやり方で詩を書いているのか、とても興味があります。

  3. ほんと、それ。な。

  4. 淋しいけど明瞭できれいなイメージですね。見ていた人も消えるのかぁ。
    翔んでいった鳥たちの幾羽かは、せめて月のカタツムリを食べたのでしょうか。
    食べてもお腹を壊さいかどうかは怪しいですけど。

  5. @たかぼ
    たかぼさん、コメントありがとうございます。絵、そうですね、イメージがあって言葉で追いかけていたのかもしれません。

  6. @大覚アキラ
    大覚アキラさん、コメントありがとうございます。確かに皆さんがどうやって詩を書いているのか、興味はありますね。私は日常のスケッチの延長で詩を書いています。なるべく目に映るもの、感じたことを忠実に書けるように心がけています。

  7. @あぶくも
    あぶくもさん、ほんとにそれです。アキラさんのコメントを受けてのことであれば、今度時間があったらあぶくもさんがどのように詩を書いているか教えてくださいね。

  8. @蛾兆ボルカ
    蛾兆ポルカさん、コメントありがとうございます。書いている本人が言うのもアレですが、この詩の救いは何なのだろうとボルカさんのコメントを読んで考えました。いつか消える日がくること、それは誰にも許された救いなのかもしれません。

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