太陽は俺を裏切らないがオマエは俺を裏切った
ずっと前に
まだ俺が21才の頃
あなたを私が幸せにしてあげると
言ってた10才年上の葉子は
子宮内膜症の苦悩を俺に
伝える事が出来ないまま
俺がグアムに連れ去られ
ホテルから電話をかけた時には
オンワードに勤めてた彼氏と
よろしくやり
ピンと来た俺は
次の日グアムのビーチで買った
LSDを決めて
ぶっ飛んでいた
太陽は俺を裏切らない
でも
オマエは俺を裏切った
東京に戻り
おれ達は駅前のゲーセンで
関係に終止符を打った
まさに
ゲーム・オーバーとは
この事だったよ
葉子はかつて売れっ子漫画家で
アイドルが演じる
映画の原作も手がけていた
俺の事もマンガにした
俺の行動や言葉を盗み
作品に投影した
1日あげるから
貴方の荷物取りに来てと
言われた俺は
転がり込んだ転居先で
忘れ物に気がついて
葉子の家に忘れ物を取りに行った
入り口のドアを開けると
葉子が出て来て
知らない靴があった
忘れ物したんだと言うと
荷物は全部捨てたと言われた
俺の忘れ物の所有権が
あんたにあるとは
思わなかったけどな!
察した俺は月夜を
もときた道を自転車で走っていた
太陽は俺を裏切らない
でも
オマエは俺を裏切った
八月の太陽
八月の太陽
真夜中のファイヤーダンスと
干からびた愛
随分と昔の話
さようならとは
かつては
もう二度と連絡が取れない事だった
待ち合わせとは
かつては
来ない人を何時間も待つ事だった
太陽はきっと
原始の約束をまだ守って
朝になれば
昇るのかも知れない
モーニングコール無しで
葉子は光合成不足だから
偽の太陽を追い求め
きっと萎れてしまっただろうね
今なら絶対に敬遠する様な相手を
幸せにしてあげるって言葉だけで
一緒に暮らして
朝から晩までSEXして
3年持たなかった偽の太陽
葉子
光を見たかい?
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