色づかい

目の前の光景から
彩りが途切れた。

その瞬間を見透かしたように
藍色が
点景となり
さざめく。

驟雨となって
私の内省を濡らしていく。

拭えない色がある。

言葉に紛れ込むたび
藍色が湧く
憧憬となる
次第に広がっていく。

目の前の光景から
あなただけ
途切れた。

明け方見た夢が
よみがえってくる。

投稿者

東京都

コメント

  1. 何とも味わい深い作品ですね。彩りとあなた。点景、驟雨。素敵な語彙を教えてもらえました。そして、夢の中まで長谷川ブルー(なのでしょうか…)

  2. @あぶくも
    あぶくもさん、ブルー系は、個人的に好きな色です。詩の書き手にも、それぞれの色彩があるのかな、などと想ってみることがあります。そんな思いを根底に置き書いてみました。

  3. この詩から、静かな色づかいを感じます。作者のこころ、もっと言えば魂の静けさというかですね。うん。

    拭えない色がある。

    ここが、特にこの詩で好きです。そうですねぇ。拭えない色が、人それぞれのこころの中にあるのでしょうね。長谷川さんに、そう言われて(そう書かれて)みれば、私にもこころあたりがあります。うむ。
    私も青系の色が好きです。まあ、年をとってから、青以外の色も好きになりました、深緑とか濃い茶色とか濃紫とか夜の闇の色などとかですね。(^-^)

  4. なんだか噛みしめるような、そんな心持ちになりました。けれども、苦くはなく、潤いすら感じさせてくれる、そんな心地です。

  5. @こしごえ
    こしごえさん、モノクロームの光景の中に、青が点景となり、次第にその青が驟雨になっていく。…そんなイメージを想像しながら書いてみました。「拭えない色」に注目してくださり、嬉しいです。人それぞれに、拭えない色があると思うのですね。

  6. @ぺけねこ
    ぺけねこさん、目の前の光景、というのは、モノクロームであり、あなただったのかな、とあらためて想いました。あなたが拭えない色になっていくのかな。…夢の中で。噛みしめるような、というお言葉、嬉しかったです!

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