影法師
その影は
駐輪場で談笑しているオバチャンを横目に見て
建設中のマンションの傍を行きます
細道抜けると そこに一軒の美容院
チリリン!
ガラス扉が開く鈴の音
二時間後 店のドア階段おりる
その影は、どこも何も変わりません
だから
誰にも分からないけれど
肩から下げるポーチには
ちょっと心はずむ
店内で気に入って買い求めた
官能的な甘い香りするヘアオイル
早く帰って
昼食は冷蔵庫の野菜室の残り物で焼きソバにしよう
と 考えている
そんな私に
美しくなった影法師はニッコリ
笑いかけてくるのです
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