我妻へのラブレター

我妻へのラブレター

 
初恋のデートで訪れた竹下通り
あの日に入った喫茶店は
何処だったのだろうか

季はゆっくりと移り変わり
刹那にもがき苦しむ人達も
入れ替わり立ち替わり

大きめのコーヒーカップの中の
甘くて苦い思い出のなかに
溶け込んでいるのだとしたら

「私達は歳をとりました」と
30年前の合評会に来た爺婆が
言っていた向かい側の席には

君は座っていない
まだまだ私の横で
若いままです
 
 

投稿者

東京都

コメント

  1. 不思議体験をした後のような心地です。
    “もがき苦しむ”と、“ 甘くて苦い思い出”は少しリンクしているのでしょうか。
    それらに溶け込んでいるという表現が素敵です。

  2. @たちばなまこと

    たちばなまことさんはわかってますね。
    不思議体験そのものです。ありがとう。

    昭和時代は竹下通りはガリバー気分で
    良い意味での中世の黒歴史の黒髪だらけの
    小中学生の頭を上から見下ろしていましたが、
    最近は半分近くが一見してアジア系以外の方々で
    良い意味でのコーヒー色から茶髪、金髪が目立ち、
    昔の竹下通りは既に支配された感じで、近い将来の日本の縮図を
    すこし早めにみているのかもしれないなぁと思いました。

    そして、そのとき、扉が開き、不思議体験がはじまります。

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