供花

秋風が訪れた
あなたが贈る供花は
きっと白色の竜胆
必衰に寄り添ってる

かつての不仲は
しおれた顔で額に棲む
わたしが左手で先立たせた

『君は鬼嫁だよ』なんて
そんなこと言わないで

鉄格子の向こう側に
罪が待っていたのに
『知りたくないの』と
つり目を逸らした

寂れた盛者の面影さえ
常なるものはないのよ
参るごとに自責の念
あなたに両手を供えるわ

投稿者

岡山県

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