闇が焦がした翼

闇が焦がした翼
        を 癒すために
光 の中に消えていった 鳥 で
できているそれ を 捕らえるこ
と は できない 偏光顕微鏡の
中の ラピス ラズリ さような
ら と 言えない僕 を見つめて
いる イスタンブル の 瞳
              一
度だけ 立ち上がる 波 の後訪
れる 破裂 そして 邂逅 天使
のラッパ の導くまま に 抜け
殻は やがて 黄蜜 となり 恋
人達 を 祝福する だろう
              触
れてはいけない と諭された少女
が 湖面に浮かぶ 大鳥居 に寄
り添ったとき ケルメス という
名の無数のカイガラムシ は 彼
女の着物の裾 から 湧き上がり
散り散りとなって 水に溶けなが
ら 果てしなく 広がっていった

投稿者

愛知県

コメント

  1. タイトルから良いですね。
    詩の景色を頭でスケッチしてゆくのもとても有意義でした。
    改行とスペースの伏線を私は見つけられませんでしたが配置が静謐で美しい。

  2. @たちばなまこと
    さん、このよく分からない詩にも関わらず、丁寧に読んでいただいて、とても嬉しい感想をありがとうございます。

  3. 改行と、間の取り方が独特ですね。詩ならではの醍醐味でしょう。
    私は、三つの独立したイメージとして読んでみました。
    とくに、後半の、「湖面に浮かぶ 大鳥居」から以降の展開に惹かれます。

  4. ぼくはなぜか、タイプライター、のイメージが浮かびました。静かに、黙々と、しかしなにかが蠢いている。そんなことが浮かびます。

  5. @長谷川 忍
    さん。間の取り方と後半の視覚的イメージに着目して頂きありがとうございました。

  6. @ぺけねこ
    さん。なるほど、その読み方、とても興味深いです。ありがとうございます。

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