月の満ち欠け
一
時は満ち
うねりとなって押し寄せる諸法実相に
翻弄されようとも
満天の星空に一際輝き放つ
月下の片隅に立つあなたと私
紺碧の大海にその輪郭を映し出し
打ち消されること無く
其処に在りて
地涌の生命にも導を与える
遥か彼方の生命に
願いを懸けるあなたと私
枚挙にいとまが無い程の生命体の瞬きは
無秩序に生れては終焉を目指す
始点と終焉の狭間にこそ
輝ける尊き生命が息衝く
生死の大海と呼ばれる
俗世にこそ導を齎す者産まれたり
時は満ち
翳りを齎す縁(えにし)の習いに
逡巡することなく
この大宇宙の法則に
連なる生命を説いて曰く
諸法実相を内に秘めた
地涌の生命体に在りて
輝き放つ一念が尊厳性を纏い
次代へと向かう
その生命を照らす月光に
欠けることの無い
希望を視たり
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