早朝

 陽が昇りつつある所
 魂を 遠い地に置き捨てた女が
 歩いている

 枝葉を伐られた鈴懸が
 黒く太い幹を霜にさらして
 辛うじて そのピンヒールの音を
 反響させている

 陽が昇りつつある所
 凍てついた道
 その音が鋭く強い事に
 ふと 気付いた女は
 歌が出そうになる唇をかたく噛みしめている

投稿者

滋賀県

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。