日々の土産
久々にひとり旅で、箱根の宿の土産コーナーに
指でたたくとんとん相撲があった
――9才のダウン症児とやったら
お相撲さんをつまんで、ポイだなぁ・・・
翌日、小田原城の中には
玩具の刀がキラリと光った
――息子に持たせたら
ぐるぐるふり回し、危ないなぁ・・・
そんな息子にも
できることが、ひとつ
パパはママの重荷を少々減らそうと
家に帰り、息子と入った風呂で
「むすんでひらいて」を歌い
パパが両手をゆっくりひらく
息子のとびきりの笑顔もひらく
花と同じくらい、いや
花よりも嬉しそうに
もし、息子に土産が分からなくても
何でもない日々からもらっている
パパと、ママと、君が
そこにいること
コメント
日常の、息子さんとの、ささやかなやり取りが伝わってきました。服部さんと、奥様の、息子さんに添ったごく自然な眼差しなのでしょう。
あたたかいですね。視点がとてもあたたかい。
むすんでひらいてでひらく息子さんの笑顔でまた剛さんもひらいてるんだろうなあ。ほっこりするなぁ。
長谷川さん
ありがとうございます。旅先で日頃の場面を思い出しました。
日頃のまなざしと、旅先からのまなざしが、重なっている感じでそのまんま書きました。
あまねさん
日々至らぬところのある父親なので、この詩に書いた気持ちは忘れずに、と思います。
少しでも温かいものが伝わったら、嬉しいです。
あぶくもさん
やはり人と人は、相互関係なのだと思います。 ありがとうございます。
お互いの視線、目の中の景色が見えるような。子どもの手がひらいていく様って、どうしてあんなにかわいいのでしょう。
たちまこさん
この詩の風景を見てくれて、ありがとうございます。
手のひらを描くことで伝わるものってあるのですね。
たちまこも言っている、子供の手のひら、むすんでひらくって、なんかわかります、自分の子供を療育に送ってから、この詩を読んでいますが、なんでもない日々を人々が受容し続ける、なんでもない風景を我々の社会は築いていけていること、それぞれの現状は、ただありがたいな〜と思います。
ティモさん
そうなのですか。分かち合いの心をありがとうございます。
いろいろ至らぬ自分ながら、何でもないもの、与えられているものを感謝して、日々を歩みたいです。