マネキン

マネキン

わたしを見つめる
ちっちゃな淑女の憧れは
既にわたしの服を着て
目抜き通りを歩いている

あまりにも可愛くて
微笑んでしまったけれど
わたしに「顔」は許されていない
身体すらわたしのものではない

綺麗なガラスに隔てられて
見られるはずのないあなたと
見るはずのないわたしは
永遠に出会えない

投稿者

東京都

コメント

  1. わたしに「顔」は許されていない/身体すらわたしのものではない
    ここを、読者が、どう読むのかでしょう。
    ちっちゃな淑女の視線で読むか。大人の視線で読むか…。

  2. このマネキンは目抜き通りをくるくる回って
    掃除してくれたら街が綺麗になりますからと
    魔法使いならおまじない。

  3. この詩人と街歩きしたいなぁ、と思いました。

  4. なぜかブレードランナーが浮かんだのです。
    擬人化の行き着く先に思いを馳せました。
    ちっちゃな淑女が歩く姿も。
    どこか悲しい。

  5. 長谷川 忍 さん

    >ありがとうございます。
     オジサンの視線で読むと、救われない感じがしますよね(笑)
     いろいろな読み方をされたら本望です。

    足立らどみ さん

    >ありがとうございます。
     素晴らしい発想だと思います。
     実際に動いている姿を想像するとなかなかのホラーですが(笑)

    たちばなまこと さん

    >ありがとうございます。
     もしかしたら書いたのは隣のビルのマネキンかもしれません(笑)

    あまね さん

    >ありがとうございます。
     ブレードランナー、ちょっとかすめました。
     でも、未来どころか近未来すらなかなか来ない感じですね。

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