樹の影に
軒端に 訪れた冬が
なつかしくて
昔の男に逢ってみる
樹の影の床几に
ひそやかに日が暮れかけて
眉の濃い青年が
盃をかたむけている
湯豆腐のなべから上る
湯気のむこうに
確かに青年がいるのだろうか
幾度も 目を見開いてみた
その人も 私も
まわりの木々も
それらを映す水までも
湯豆腐の舌にくずれる一瞬の様な
はかなさがあった
散りかけの葉に無情な風のざわめきは寄せて引き
日暮れに沈んで行くのを見詰める私に
青年が盃をさした
(背を見せて 去りゆく人を見送りし
車窓に急に溢るる涙)
あの青春の終わり方は
実は間違っていたのではなかろうか
コメント
素敵な青春の追憶をイメージしました。終わり方がまた良いなぁ。
私は、青春は終わったと言った時点で終わり、なんだと言い聞かせております(笑)
@あぶくも
様へ
お読みいただきまして、ご感想のコメントをお寄せくださり
どうもありがとうございます!(^ ^) 嬉しいです。
フィクションの部分で自己を突き離しドラマ性を追ってみました。
拙い作品ですけれど(笑)あぶくも様に、味わっていただけて良かったですぅ。⭐︎
季節が引き寄せる想い出は
いつまでも忘れられないような気がします。
湯豆腐や盃などのアクセントが利いていて
良い雰囲気を醸していると感じました。
@nonya
さま へ
どうもありがとうございますッ!( ´ ▽ ` ) ご感想のお言葉をいただきまして、
大変嬉しく思います。
お読みくださいましたnonya 様に情景を感じ取って貰えました事、良かった
です。♪ この原稿は、時間を置きながら急がずに、じっくり推敲しました。
たけだたもつ様の、nonya 様へのコメントじゃないけれど…(笑) 私も、
ただ話を聞くだけでいい!一度のみ交わしてみたい詩人さんだなぁ…と
作品やコメントには、強い魅力を感じております。m(_ _)m