心感デッサン6

心感デッサン
2024,1.20
by frogmorton 

“癒しの 干からびた 涎の 愛着よ”

冬雨 暖かき 礫に 下を向く
 昨晩 腸 が ドバドバと
便と 共に 流れ出た

(アインシュタインの、生み出した方程式e=mc²、全宇宙の仕組みを解いた。これにより、AtomicBomが開発され、空間の歪みが解決された。しかし、其処に時間の概念は在るのか、リーマン予想までは、たどり着けなかった。時間という難解である。時間が止まるということは、何もかもが白紙になるということで、其処を考えると 魂は、どのような扱いになるのであろうか)

そんな事を 不意に 思ったら
 枯れ葉が そっと
肩を 叩いて 次の 道へ 行った

(時は 止まっていない‥)

蝉の子は 地の下で
 脈々と 夏が 来るのを
待っている

こんなに 穏やかで
 霜柱も 立たぬ 今宵
わたくしの 懐には 一銭も 無い

この前までは 枕に顔を埋め
 『もう、やだ、死にたい』
と 泣き叫んでいた

今や 何もかも
 どうでも良いと あがくのだが
 心中 ぐらぐら 煮えたぎり

夢の中で 祖母に 本当のことを 言った
 私は 実父 と 言葉を交わした事実
祖母は 最早 全てを 悟っていた様子

誰にも 言えない 秘密

今 二人は 赤富士を
 遠くから 見ていた
其れは 不思議と 焼き付き

27年前の 栄光は 尽き果て
 しわがれ声になり
なにもないとも 感じず 

“私 最早 此 畢竟の 技 成り”

魂は 自殺者 の 森へ 降りた
 鳥人間が 白い目玉を ぎょろつかせ
汚らわしく 賛美している

生命を 帯びているのは
 わたくしだけ
あとは 蝋人形 の 如く

木々は 黒く 森と 化し
 一面の 地獄 模様
自ら 死して 人は

 『自殺者の森に成る』

幸福は 細やかで 良い
 痛みは 無い方が 良い

平穏な 日々が 毎日 訪れ
 死 来たるまで
健やかに 生き通す

其れこそが 現世 での
 真の 幸福 成り

                  

投稿者

東京都

コメント

  1. 「技 成り」は、「枝 成り」とも言えるのか、実りの形は、枝にそれぞれの形、を成す、それは完全なる熟成を待つもの、枝に残るものは、それぞれの形に、それぞれの夕暮れを、見る。

  2. @坂本達雄
    いつもわたくしの詩を拝読され、本当に感謝です。心より、ありがとうございます。

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