流転
馬車がみえた
ぼくは石畳のなみきどおりをはしった
はっこうする化石(オフホワイト)や
こおりの死体(チャコールグレー)が
すなにうもれた絵画(シナモン)に描かれていた
馬車はもうきている
ぼくはいそいで螺旋階段をかけあがる
めをだした種子(コバルトグリーン)から
のびてゆく光(レモンイエロー)が
しっそうする獣たち(ミルキーホワイト)にこだまする
馬車ははしる
ぼくはまどから煤けた宇宙をみている
暁のひこうきぐも(コーラルピンク)が
けたたましい風のおと(ライラックパープル)をたてて
草原の灯し火(インディアンレッド)をあおりたてる
しばし明るくなったあたり一面を
馬車ははしりつづける
コメント
可能であるものは、わたしがそこで、見たものであり、振り回される、わたしの感覚である、しかしまた、それらの命と言うべきもの、ぜんたいが、わたしを、可能としている、発見は出発である、わたしはそこで、螺旋である。
五感でしか捉えられない世界でも、自分が世界なら、螺旋の如く広がっていきます。その発見を期待して過ごしています。