流転

流転

馬車がみえた

ぼくは石畳のなみきどおりをはしった

はっこうする化石(オフホワイト)や

こおりの死体(チャコールグレー)が

すなにうもれた絵画(シナモン)に描かれていた

馬車はもうきている

ぼくはいそいで螺旋階段をかけあがる

めをだした種子(コバルトグリーン)から

のびてゆく光(レモンイエロー)が

しっそうする獣たち(ミルキーホワイト)にこだまする

馬車ははしる

ぼくはまどから煤けた宇宙をみている

暁のひこうきぐも(コーラルピンク)が

けたたましい風のおと(ライラックパープル)をたてて

草原の灯し火(インディアンレッド)をあおりたてる

しばし明るくなったあたり一面を

馬車ははしりつづける

投稿者

広島県

コメント

  1. 可能であるものは、わたしがそこで、見たものであり、振り回される、わたしの感覚である、しかしまた、それらの命と言うべきもの、ぜんたいが、わたしを、可能としている、発見は出発である、わたしはそこで、螺旋である。

  2. 五感でしか捉えられない世界でも、自分が世界なら、螺旋の如く広がっていきます。その発見を期待して過ごしています。

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