悪役
なあ、君よ
私は一生”悪役”なのだ
これは今となってはどうしようもない結末だ
なぁ、君よ
一度黒く塗りつぶされたキャンバス
一度”悪者”のレッテルがはられた背中
それをどうして、元に戻せるだろう?
たとい悪行が最愛のものを救うものとしても
ただ一つの信念を曲げることができたとしても
私という存在は変わることはできないのだ
私はもはや極悪人なのだ
人々の記憶から消え去るまで
一生付きまとわれる役柄だ
ヒーローには、きっとなれないのだ
人々の中で日の目を見ることはできない
もっとも有名人にはなれただろうが
英雄にも救世主にも、私はなれない
”悪”の英雄や救世主にはなれたかもしれない
私には、道を選ぶことはゆるされていないのだ
なぁ、君よ
私は汚れてしまったようだ
なぁ、君よ
太陽は暖かいか、明るいか
なぁ、君よ
笑ってほしい、精一杯、一生
自分のために、愛するもののために
私のことを忘れて
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