グリーンハイツ
先日グリーンハイツへ
こころのさけびを聴きに行った
隣に座った初老の紳士が
こころのさけびは
マシュマロに似た形をしているので
少し焼きを入れて食べると旨いのだ
と教えてくれた
そこでJKのこころのさけびを
一匹捕まえて
やさしくほんのり焦げ目をつけて食べてみたら
口の中でほろほろほどけてなくなった
これは美味ですな
と隣の紳士に語りかけたが
すでに紳士の姿はなく
くたびれた中折れ帽だけが落ちていた
あの紳士のこころのさけびはどんな味だったのだろう
などと考えながら
それ以来
ずっと帽子をかぶったままである
コメント
グリーンマンションは「緑の館」です。JKはわたしには「おとな」です。中折れ帽は「なんなのでしょう」。
@坂本達雄
坂本さんコメントありがとうございます。この詩人会もいわば「こころのさけび」の発表会のようなものですね。この主人公はきっと帽子をかぶったままこころのさけび発表会に行って、いつか自分のこころのさけびを誰かに食べてもらうのかもしれません。
なにか、紳士はJKの心の内を聞いてショックだったんだろうなと思いました。中折れ帽…
@花巻まりか
花巻さんコメントありがとうございます。美食家の魯山人は美食の末に亡くなったそうです。JKも美味しいでしょうが瑞々しい強烈な毒を含んでいます。この紳士もその毒にあたってお亡くなりになったということは十分考えられそうです。この紳士はもしかして魯山人だったのでしょうか?
コメント失礼いたします。
マシュマロに似たものは、焼きすぎれば、刺し串からとけておちてしまうように、くどくて、あきがきて、しまいには炉に吐き捨ててしまうような、そんな印象です。そんなささいなものよりも。という後味がきいてくる気がしました(個人的ですみません、、)
@ぺけねこ
ぺけねこさんコメントありがとうございます。ぺけねこさんのコメントを読んで、こころのさけびも生のままで頂くのが基本であり、読み手が解釈を加えすぎると(火入れをし過ぎると)かえって台無しにしてしまうという喩え、もしくは警告なのかなこの詩は、などと他人事のように考えてみました。
グリーンハイツ、というのは絶妙なタイトルですね。「こころのさけび」と上手く呼応しています。紳士のこころのさけびは、少し焼きを入れて私も食べてみたいと思いました。
@長谷川 忍
長谷川さんコメントありがとうございます。「グリーンハイツ」という題への感想ありがとうございます。長谷川さんの指摘に「なるほど!」と思いました。ただ、アパートなどのどこにでもあるありふれた名前が、読み終わった後には不気味な名前に見えてくることを期待してこの題にいたしました。
郊外のアパートの階段に座っているのを想像します。
さけびがちょろちょろ逃げ回るのを熟練の技で捕まえて嗜んでしまうのでしょう。
きっとやめられませんね。
@たちばなまこと
たちばなまことさんコメントありがとうございました。そのイメージ、ホラーテイストで良いですね!