さっきから 私の背を追って来る
咳払いはオヤジ節
切れない痰のしつこさに
どんな顔しているのだろう

振り返り見ず歩く
私の前を
さっきから くるくる回る
まぶしい笑顔のディズニープリンセスたち

その傘の前を
「はやく!行くよ」

そこだけ 風が日差しに白く光ってみえる様な空で
揺らいでいた幾つもの みずいろ風船は
あそび歩きのその子を顧みる

二人が居る先に
無地の傘を差している女性
姉妹へ向ける眼差しは雨糸滴れる細道で
傘のシトロンイエローを後光のように
しっとり輝かせて

寄り添う三人の後ろ姿を見ていると
鞄に のど飴が有ることを思い出し
お一ついかが?
などと、背後に居る男性へ
差し出してあげたい気分になっていた

投稿者

滋賀県

コメント

  1. そういう気分に
    私も時々なります
    時々っす

    雨の日の情景が浮かんで
    でも、嫌な雨じゃない
    傘が、アートであり
    ポジティブです

    素敵です

  2. @那津na2
        様へ

     こんにちは!いつもどうもありがとうございます。^ ^
     ご感想のお言葉を、お寄せくださり大変嬉しいです!!
     今回、公開させていただきます作品を迷いまして。ふと
    渡 ひろこ様の画詩「雨だれシンコペーション」を再読致
    しましたら、これにしよう…と思い立ちました。
     ごく素朴な作風なのですけれど、私のお気に入りの詩なの
    です。(*´꒳`*)

  3. 最初の連から、最後の連への、背後の男性への気分の変化に、思わず微笑んでしまいました。コミカルで、映画の一場面のような、印象に残る詩ですね。シトロンイエローの傘の色や、水色の風船や、白く光る空、傘を持ってくるくる回るプリンセス達が、鮮やかに目に浮かびました(^^)

  4. @ayami
       さまへ

     こんにちは。コメントをお寄せいただきまして、どうもありがとうございます!(^^)
     そうなのです!ある雨の日の光景なのですが、背後に登場する男性がいてこそ、
    この詩の描写にさり気ない面白味を与えてくれる作品かなぁ…と、書き上げてから
    感じました。
     この作品の情景を、味わっていただけてとっても嬉しいです!(*´∇`*) 

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