袈婆獅体
ひとつ君が体液に充電する。ココアッカと錫金の調音する下腹部のたるみで。知らずに地温院のミミズたちに口づけてあたたかい。マダガスカルの身体検査院では鼻血の噴き出したままに白衣のその人が、わたしの喉に体温計を新婚するらし。きわだつ海岸の展望に漂白剤のメモリで体表に傷つけているあなたよ。さしづめサシガメさなだむしのきれいな皮膚の手足で踊ろう。体液が岩に吸い取られて行くのは、甲高い声でみちのくの雪が深まるその気配であるし、さらには河の原始の生物の肥大した皮膚の卵である。それ。瞬きはしばらくの辛抱ですと、トランキライザーのボルテージがひとつ君の鼻からのチューブですと、盛り上がる水面からのひょうひょう体。観音菩薩のケラチンのシオンの花嫁の銅とメリケン粉でまぶした法体であると言う時。忘れてはならないジョグ。乱れて咲く婆羅門の人影の土の壁です。ここにはしばられることのない、その気配が雨の痕跡として残るのです。つつましやかな言葉での備忘録として。その〈かいな〉は喉に冷たくして。ビザンチンの紋様からの転写でしかなく。さあここでその鼻血をふいて、君は邏卒の綱にひかれて花園の道からピーコックの不埒へと行け。よしそれが鎌倉のしだれざくらの朽ち果てた幹であっても。テモテと連れ立って河の道に死者の声で天明する時間。クルクスの笑う鳥の声であれば、シカンスルわたしの眼を焼けよ。さらに東急東横線の横断する君自身にこの車体を微塵としよう。
コメント
すごい濃密なイメージが頭の中でぐるぐるしました。詩だなあ。