孤炎
岩を穿し水よりも
野辺渡りたる風よりも
幽として
また
冲として
うろに溜まりし夜半の月
思へば色は移りけりて
二度とは一にならず
数へれば憂愁は流れ流れて
止まる事を知らず
ただ我を失ひて紺碧の空を見
ゆくりなき憂き世の瀬は
尚尚我を見ざりき
幾年を経たとて
未だ境地に至らず
ただ衒悟に甘んじ
一人かこち
上りかまち
うちそとを隔て
超ゆる術は無し
岩を穿し水よりも
野辺渡りたる風よりも
幽として
また
冲として
うろに溜まりし夜半の月
思へば色は移りけりて
二度とは一にならず
数へれば憂愁は流れ流れて
止まる事を知らず
ただ我を失ひて紺碧の空を見
ゆくりなき憂き世の瀬は
尚尚我を見ざりき
幾年を経たとて
未だ境地に至らず
ただ衒悟に甘んじ
一人かこち
上りかまち
うちそとを隔て
超ゆる術は無し
会員でない方は会員登録してください。
コメント
凄みがあるなあ、といつも読み重ねるのでした。
ゆくりなき憂き世の瀬は/尚尚我を見ざりき
今も、昔も、人の世の宿命なのかもしれません。いつの世も、儚い。空しい。夜半の月に、狐炎を重ねる。幻想的です。