プレイス・フォー・デス──湖

 焼かれながら歌った。
 焼かれながら歌った。
 ヤカレナガラウタッタ!

 三度の和音なんて駄目だ。四度の和音でなければいけない。五度は絶対に排斥する!

(ソレ)は湖にむかって落ちていく。散りながら、血の色をさらけ出す。

 絶望のエチュード、絶望のパッサカリア、絶望のロンド。……くだくだしい!

(ソレ)はコノハナサクヤビメ。イワナガヒメの妹。「わたしがニンゲンを救ったのだ」と、イワナガヒメはうそぶく。

 その妹は口を閉じる。「妹」って、誰のこと? 彼女は口を閉じる。殺され、クチナシになる……

 だから、白い血の色。絶望のソリチュード。あ、地口? 地虫が彼女の腹を這うというのに……まるで黄泉の湖。この光景は誰にとっても心地よい。……そうじゃなかった?

 ──殺せ! その女を殺せ!

 永遠が、その女を、笑うまで。

 焼かれながら歌った。
 焼かれながら笑った。
 ヤカレナガラワラッタ!
 プレイス・フォー・デス。

投稿者

宮城県

コメント

  1. 神話にない解釈に思われます。
    だから、神々の名前がカナカナ表記なのですか?

  2. @たかづき しの様。
    はい、イワナガヒメのほうはそうですね。コノハナサクヤヒメのほうは、焼かれたという異説もあるようですが。このシリーズでは、オフィーリアあたりから、通常とは違う解釈で書いています。(^^)

  3. @大町綾音
    さん。
    名前の直後に敬称をつけてしまうと、メンションが働きません。
    私は改行して敬称をつけるやり方しか知りませんが、
    こしごえさんがお詳しいです。

  4. @たかづき しの
    さん。
    失礼しました。勉強になります。

コメントするためには、 ログイン してください。