証言〜令和は冷ややか

どう言うつもりの
マイティ・モー
サザンカ焼いてる公園
北斎の波の上に立ち小便
現実がめくれて目眩ごし
見つめ唖然する暇もなく正面
時間引き延ばすわジレンマ抑え
赤灯かわし半身でビッコ引く少年
起き忘れた靴の片方
西成のゴザの上での対面
無知と貧困につけこんだビジネス
ありのままのご対面
落書きだらけのこの町
逃げ出せなかった眼球
鬼太郎の親父みたいに
シラフで保つ感性
海鳥の誓いを置いてく
アルバトロス達の命運
空に絵を描いて昇天
タバコすら道端で吸えない社会
これはあなたの健康に
深刻な健康被害を
与える可能性があります
滑走路のない魂が改札を超え
誰にも見送られず旅立っていく
JRは今日も遅延のお知らせ
本当の遅れは
この国の心拍の方だろう？
とりあえずの空腹を
1個120円のパンで埋めて
ハトにちぎった分は
俺の罪の分配
コンクリートの隙間から
雑草が顔を出す
誰にも褒められない
生存のデザイン
俺は知ってる
この町を漂う空気感
言葉にならなかった
破片に串座されてる
マイティ・モーはもう来ない
だから俺たちが 歩くしかない
最後は真っ白な灰が
くすぶった道端に残るだけ