白昼夢

1.
商店街を歩いている
初めて来たような気もするが
すれ違う何人かと挨拶したりしていると
懐かしい、感じがする

薬屋と靴屋に挟まれた一角に
「人間屋」という看板を掲げた小さな店がある
幼女を誘拐して商品にしているとか
臓器を破格の値段で売買しているとか
そんな噂話はしきりに飛び交うのに
誰も店の中に入ったことがないというのだ

僕は夢想する
きっとつまらない傘でも売っているんだ

2.
見知らぬ女性とのセックスは
気持ち良いのだろうか

電車で隣り合った男女が
相手も選ばず乱れ合うとして
僕のペニス君は誰のヴァギナちゃんに挿入されるのか
あの女子高生風のお坊さんか
あのジミヘンの衣装みたいなお坊さんか

3.
外人を殴りたい
ファックとかビッチとかアスホールとか罵って

そして僕達人類が平和でありますようにって
肩を抱き合って祈るんだ
ウィアーザワー
ウィアーザチルドレー
って、歌ってよ
誰か

[TONOMOTOSHO Rebirth Project No.091: Title by おーちゃん]

投稿者

大阪府

コメント

  1. まさにとりとめのない白昼夢の狂気が描かれていますが、この3つがそれぞれ独立した短編小説になりえるような内容で、楽しく読ませて頂きました。

  2. ドキッとしたり、クスッとしたり、なんでっ?となるような展開が3つともにあって、白昼夢のこととは言え、こういう展開や面白さって人生に必要だよな〜なんて思えました。

  3. どれか一つだけで十分白昼夢をエンジョイできそうですが、どれも良いです。やっぱり3かな?なんか抜けがあって、明るくてバカみたいで、罪悪感なさそうだから、笑

  4. 「人間屋」というのがいいです。正体不明な、ちょっとアナログな怖さ。ジミヘンの衣装みたいなお坊さん、というのも妙です。最終連は、…まさに白昼夢。

  5. お坊さんたちが気になって気になって。

    どれも白昼夢でした。
    ふわふわします。
    3つに分かれているところも。

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