書きかけの詩

詩の断片だけが
脳の片隅だかに
メモされていて
いつ完成するか
見当もつかない
うまく書けたと
思えもしないが

書きかけの詩は
開かれたままで
世に出もしない
いつからか分身
バラバラになり
粉々で飛んでく
そのための準備

仮に体が死んで
魂だけ残るとて
記憶らしきもの
地図に旗を立て
歴史を縦に切る
モノリスと墓石
遺し逝く言霊と

投稿者

千葉県

コメント

  1. ふと疑問に思うのは、みなさんどうやって詩作しているのかな。オレはあんまり書きかけの詩ってのがなくて、ふと思いついた言葉をメモするってこともない。でもおそらく多くの人が実践してるのだと思う。何かそういうの語り合えたら面白いけど、「ぽえ会」に早くフォーラムとか掲示板みたいなのができればいいな、と。それはともかく、三連目の言葉のハマり方が好きです。

  2. トノモトショウさん、たしかに他の人がどうやって詩作されているか聞いてみたいですね。若い頃は瞬発力だけで書ききっていたようにも思いますが、最近は何か書きたいことを言葉にしてもそのまま寝かしておくようなこともしています。芸人のトークのネタじゃないんですが(^^)
    ちなみに、この『書きかけのの詩』は書きかけと言いつつ、ほぼ一気に書き上げたという矛盾を孕んだものになりました。あ、三連目、ありがとうございます。

  3. 7字7行、きっちりとした定型の散文詩ですね。定型の詩は、緊張感のようなものがあって、私も時々書きます。
    私も、日々、浮かんだ断片をメモしておきます。作品に昇華していく場合もありますし、断片のまま埋もれてしまう場合もあります。埋もれていた断片と、ついさっき書いた断片が、かちっとハマってしまったり…。そんな感じです。
    ですので、この詩は、共感いたします。

  4. 長谷川さん、また字数制限のやつやってしまいました。僕も最近は「詩の断片」というメモを書いたりします。
    共感くださって有り難いです。

  5. 最終連がすきです。特にその最終行がすきです。

  6. こしごえさんに最終連特に最終行がすきだと言ってもらえてとても嬉しいです。
    『私の墓は、私のことばであれば、充分』と言った寺山修司の言葉がいつも私の心の中にあります。

  7. 書きかけの詩が定型に収まっているのが趣があっていいなあって思いました。

  8. たちまこさん、書きかけの詩というタイトルの書きかけの詩に関する完成してる詩なんですね。
    こういう矛盾みたいなの好きだな。

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