柿の知らせ

柿の知らせ

庭で夕空を仰いでいると
足下の、少し離れた場所が 
ふいに がさっ と鳴った

古い柿の木から
枯葉の吹き溜まりに
実がひとつ、落ちたのだ

よく熟れた柿は
ほんのりと夕陽に染まり
僕に微笑む

(なぜきみは、そんなに幸せそうなのかい?)

家に入り 
食卓で腰を下ろし、茶を啜る 
静寂(しじま)のひととき 

幸いを黙して語る、柿の実よ 
僕は想いを巡らせる 
機が熟すのを、待つように

投稿者

東京都

コメント

  1. 微笑みと静けさのなかから いい味を感じます。年を取った柿の木や、茶をすするひとときや、各連の一つ一つの描写が好き。すてきな空気感というか。
    そして、最終連がとても好き。希望も感じます。

  2. ありがとうございます。 静かな絵のような詩が書きたいです。 柿の実が語る摂理、忘れずにいたいです。

  3. 葉を落とした木にぽつんと残された柿って目がとまります。何とも言えない赤さ。
    熟しきって落ちた柿の実に幸せを見ることができるのは心がとても落ち着いているって気がします。

  4. 目に映るものと対話する感覚を養い
    たいです。 ありがとうございます。

  5. 今頃の季節の、落ち着いた感じが表現されています。晩秋の頃は、好きです。最終連、いいですね。
    幸いを黙して語る、柿の実よ

  6. 晩秋に柿の木に最後のひとつくらいの柿の実が残っている風景が好きです。
    鳥が残しているのかなとか。
    幸いを黙して語る、良いですね。

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