スペンサーの地下室

明日 見果てぬ地下室で
そこはかとなく出会っていればよかった
だって気持ちは水母のようで
たゆたうように見つめていたかった

エトランジェ 口吻 奴隷の歌
逃れられないあなたは聞くだろう
オーベルジュ 食卓 毒蛇の舌
飢えきった私は味わうだろう

昨日 地下室にくりだそう
闇が恋人たちを照らすから
一昨日 地下室で落ち合おう
時が秘密を暴くから

慎ましく飾られた花 その名はブリザーブ
過ぎ去った未来 囚われたままのスレーブ
 
 
脚注)スペンサー型ソネット
   脚韻 abab bcbc cdcd ee

投稿者

愛知県

コメント

  1. 切なさの中にも何かこう なぜか感謝をしたくなるような感じを受けます。それはこの詩の存在に感謝したいのかもしれません。

  2. こしごえさん。あたたかいコメントありがとうございます。

  3. 時間は逆行していくのに物語は順行する不思議な感覚。ノーランも嫉妬するような感動的な展開で、ラストの一行に落ち着く巧みさ。

  4. トノモトショウさん。するどくて、スタイリッシュなコメント頂きましてありがとうございます。

  5. 過去に向かって物語が進んでいく、という発想、面白いですね。ソネットという形式と、艶やかな描写が、この物語に、不思議なリズム、色を醸しています。

  6. 闇が照らすって、センスいいなあ!かっこいいなあ!と思いました。

  7. 長谷川忍さん。嬉しいコメントありがとうございます。

  8. たちばなまことさん。そのように言ってくださってありがとうございます。

  9. なるほどタイムリープ的。気になるのは今日は?
    古典的な調べのせいかボブディランの歌が浮かんだ。
    もしくはボラン?Dandy In The Underworld

  10. 王殺しさん。ありがとうございます。マーク・ボラン率いるT Rexについて私は疎いのですが、グラムロックは耽美的な暗い地下室がやはりお似合いでしょうね。

  11. 蛇足ですがマーク・ボランは「僕は有名になる為、悪魔に魂を渡したから30歳まで生きられないと思う」と言っていてその予言通り30歳になる数週間前に恋人の車で事故にあい死にました。Dandy In The Underworldは死の直前、最後のアルバムです。
    地下世界の若きダンディは乱心のすえ恋人にも見放され地下室で悔い改めながら泣いている。夏を凍らせながら。彼がいつ空気のある場所にくるのか、誰も気にしない。って歌だったと思います。まぁ関係ない話ですが。

    で、この詩は道ならぬ恋の悔悟かもしれんなと読んでみました。そうすると今日この時がないのも合点がいく。それどころじゃない。

  12. 王殺しさん。マーク・ボランらしいけど、予言の実現は出来過ぎた話ですね。それにしても30才は若すぎますね。カート・コバーンは27才、ジミヘンやジム・モリソンも。調べてみるとロックスターの早死には多いですね。大体がドラッグがらみですが、マークボランのはちょっと異質ですね。
    私の詩をしっかり読み込んで頂きありがとうございます。

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