指先
先生の質問に
山田君が手を挙げて
クラス中が騒然となった
先生もクラスの皆も
山田君が
誰であるのか知らなかった
じゃあ山田くん答えて
動揺しながらも
かろうじて先生は
山田君を指したけれど
本当は誰も
山田君の苗字どころか
名前すら知らない
ただ挙げた手の指先が
水泳のように綺麗で
先生もそこが気に入ったのだろうか
すぐに二人は結婚して
子供ができた
同じ山田君になったね
先生は子供に笑いかけるけれど
皆が一番困惑したのは
先生が誰なのか知らないこと
知らない、と
山田君も言ったこと
コメント
不思議と、不思議なことが可能である、この世界の、なにやら君が、しかけている花火の、なにかと質問が意味的であるからと、教室の壁に、僕の絵が張り出されて、質問は、絵を指して、質問は絵を見ないままに、何が不思議なのと、君が言う。
そういうジャンルがあればまちがいなくホラー詩の傑作です。
私は誰かと問われると、私はちょっと考え込んでから、たぶん、世間に通用している肩書きを答えると思いますが、それも自分では、首を傾げながら。その役目をこなしているだけで、実際、自分は何者になり得たのか、私の場合は、まだ何にも成れていないのでしょう。だからこそ、自由な気もします。
物理学(量子)の授業がこういう内容だとどんなに楽しいでしょう。
物理学がいつの日か哲学(意識・思考)の扉を解放するかも知れないですね。
確かな山田くんに会えるかも知れません。