知らなくていいこと

知らなくていいこと

満開のラベンダーの香りに誘われて
せっせと蜜を吸いにきた蜜蜂
去年咲いていたラベンダー
去年飛んでいた蜜蜂
同じようでいてそれは違っている

蜜蜂はラベンダーの受粉になくてはならない
とは知りもせず
次から次へと飛び回っては蜜を吸うだろう

ラベンダーもまた私の安眠になくてはならない
とは知りもしないだろう

ここにいるのは誰かの何かになくてはならない
役割を担っているのか
私だけがそれを知りたいと願うのはどうだろう

いずれ私に似た誰かがまたここにやってきて
同じようにして誰かの何かになくてはならない
役割を担っていくのだろう

そう、それは知らなくていいこと

自分の花をいつどんな風に咲かせるのか
在処を探して自分にとっての蜜を吸いに行く

本当に知るべきことは
頭や言葉じゃないけれど
既に知ってるはずなんだ

投稿者

千葉県

コメント

  1. 知らなくていいこと。
    知ってしまったら、知らないままではいられないこと。
    知ってしまって身動きできなくなること。
    そんなことをおもいました。
    でもきっと、既に知っているに身を任せたら、自分の花が咲いて、自分の蜜を自分で吸って、嗚呼おいしいってできたら、とってもいいよなぁっておもいました。

  2. @ぺけねこ
    さん、ありがとうございます。
    身をまかせたいですね〜。
    人生は知らないことを知っていく旅とも言えるし、知っていることを思い出していく旅のようにも感じます。

  3. やはり、役割、なのでしょう。日々の何気ない意思や行動が、結果的に、誰かへの影響、役割を担っている。
    吉野弘さんの「生命は」という詩を思い出しました。

    私も あるとき
    誰かのための虻だったろう
    あなたも あるとき
    私のための風だったかもしれない

  4. @長谷川 忍
    さん、ありがとうございます。
    あー、言われてみれば!確かに感じたこと自体がそうだしなぁ、書いた内容も吉野弘さんの『生命は』に無意識に寄っちゃったのかもなー。好きな詩なんですが、あれに叶うわけないので、意識できていたら逆張りの方向で行けたんだろうなぁ。(悶々と反省は続く…笑)

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