君に触れる

この宇宙にある心臓は
ある視点からのみ、見ることができる
タージマハールの曲線の、カラバッジョの陰影の
陽光のスメラミコトの
君に触れるわたしの精神は
たたずむタチアナの、満足そうに明るい炭火
手にする恒星の一番目の瀬を越えて
記憶の花火、焼けた蛇使いの舌は
語ろうではないか、サモアの火吹き男の言葉のように
涙の流れた頬のうえから
君の実在する肌の昏睡へと
ひそやかなしるべとしての、マーベラス、塩辛い涙の味とともに
君は実在する話し言葉の
愛する言葉の・・・胸囲
そっとつつんでくれる、そっとつつんでくれる
アネモネの花のそらに開く刺繍である
さまざまの香りの指先を口にふくんで
肉体的な花火をかいでいる
星空の・・・みみたぶの
さわやかに、さわがしく、舌先でなめている
君はほんとうはねむたいのか
星空の震動するハハコグサの震撼する
遠くから君を呼ぶのは、あれは何、
ふたしかなまぶたを震動するのは何、
足先から、海のまぼろしの、断崖までも
わたしはひとつの精神の深海底です
ユウランスル・・・ユウランスル・・・
はるばる来たるすみやかな感傷のマイマイ・・・
君はみずにとける、すみやかにみずにとける
あたらしいベッドのうえで、君にふれる
あしたからは君はいつも
実在する何か。

投稿者

岡山県

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