暁音(あかね)
浅い眠りが覚めた
澄んだ大気の中でふと吐いた溜息が
やけに大きな音に聞こえた
戯れに靴をつっかけて
上着を着て外に出てみる
少し赤みを差し始めた通りをすずろに拾い
見上げれば今日の空
雲が少々多い
そぞろ歩けば微かに暁の音が聞こえて来る
それは夜を彩った灯り達の
おもむろに消えてゆく音なのか
暗い夜が明ける
1日がまた始まる
振り返ればここまでが妙に長く感じた
僅かに希望を抱いて
細小路へと曲がってみる
別世界が、夢の世界がまだあるような気がして
見上げれば明けの明星
鈍い光を放つ
流れ歩けば微かに暁の音が聞こえて来る
それはさえずり始めてる鳥達の声なのか
朝もやに包まれて響いているのは
寝ぼけた頭に聞こえて来るのは
涼しげに
寂しげな
暁の音
コメント
まだほとんどの人が眠る静かな時間に散策するのは確かに楽しいし、情緒があって、眠りの浅い自分もたまにやりますが、こういう視点(聴点とでも言うべきか)で捉える感性は持ち合わせていませんでした。最近は5時頃にはもう明るくなっていて、暁の音を聞くには4時半には起きなくちゃだめですね。
美しい韻を噛み締めました。