夜歩く
雑草が伸び放題になって
家庭菜園だったらしい一画に
突き刺さったまま 残された
ステンレスのスコップを覆い隠している
ときおり救急車が
音を消したままひそやかにやって来る
パトライトに合わせて
閉じた雨戸が点滅を繰り返す
爽やかな朝には
AV女優と友だちになれそうもない
いずれ来る老いと 今がうまく繋がらない
救急車は大通りに出た瞬間に鳴き始める
街はまた静けさを取り戻して
街灯が白々とアスファルトを照らす
雑草が伸び放題になって
家庭菜園だったらしい一画に
突き刺さったまま 残された
ステンレスのスコップを覆い隠している
ときおり救急車が
音を消したままひそやかにやって来る
パトライトに合わせて
閉じた雨戸が点滅を繰り返す
爽やかな朝には
AV女優と友だちになれそうもない
いずれ来る老いと 今がうまく繋がらない
救急車は大通りに出た瞬間に鳴き始める
街はまた静けさを取り戻して
街灯が白々とアスファルトを照らす
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コメント
救急車の描写が、上手い喩えになっています。少し通り過ぎた後に鳴き始めるところ。三連目は、この詩のアクセント、転調ですね。どきりとしました。
孤独死が身近になって、それが他人事ではないということを不穏な描写もあり考えてしまいます。そんなおりでもAV女優とも朝も夕も懇ろになれる僕です。
突き刺さった、爽やかな朝のAV女優、救急車が鳴く など好きです。良いですね。