従順に伏せられた賢者の視線
ささくれ立った欲々に
身を任せるのが上等よ
背に腹は変えられぬよに
鞭打つ痛みが愉楽となり
それは恥の上塗り
無防備な手足に枷
素肌に落とされる高温の唾
目論見は全て裏切られるが
責め苦に耐えれば解き放たれる
メルトダウンが今まさに始まる
曝け出せ
剥き出せ
すべての意味深な視線は
モザイクの欠けた哲学だ
白々しい態度で見上げれば
盲の獣の思うがままだろう
捧げる心の行く末は
混じり気なき陰陽の
外側で弾けて飛散しながら
もう一度還る場所を求める
[TONOMOTOSHO Rebirth Project No.067: Title by 零月芳]
コメント
三連目が、強く印象に残りました。
すべての意味深な視線は/モザイクの欠けた哲学だ
この二行、まさに現代社会を垣間見るようでもあります。
SMちっくなような、とてもクールな。
とてもシェイプされた引き締まった細マッチョな詩に感じます。
灼熱の情が降るなかに生を感じます。