大寒

大寒

噛みついたら
歯が浮いてしまいそうな
青空の下

猫背を透過した
北西の風が
肋骨に絡まった枯葉を
震わせる

ポケットに
突っ込んだ指先が
ぬくもりを
探して探して

探し当てる前に

毛細血管の
枝分かれの先の先まで
冬が行き渡る

投稿者

東京都

コメント

  1. 厳しい季節を生き抜く大樹の、逞しくも美しい生命の姿に感動します。「大寒」というタイトルもぴったりですね。素敵です。

  2. 今年の冬は、寒いです。その寒さが直に伝わってくるようなお作品ですね。一連目の、空の描写に惹かれました。…ちょっと体感してしまうような。

    噛みついたら
    歯が浮いてしまいそうな

  3. この詩は、冬の寒さの厳しさをうまくあらわしていると感じます。
    一連一連、すてきな表現をしていますね。

  4. 坂本 遊 さん

    >ありがとうございます。
    靖国神社の境内にあった大木です。
    気がついたらシャッターを切っていました。
    自然を語り尽くすことは永遠にできないな、と
    改めて思いました。

    長谷川 忍 さん

    >ありがとうございます。
    冬の空ってつれない感じで嫌いじゃないです。
    つれなくても、なんとか食いついてやろうと思ったら
    歯が浮きました(笑)
    長谷川さんみたいに包み込むような描写が私にはできない
    羨ましいです。

    こしごえ さん

    >ありがとうございます。
    そこまでお褒めいただくと
    もう冬の詩を書けなくなってしまうかもしれません(笑)
    いつも温かく読み解いてくださって、感謝!です。

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