月の反証

歩道橋の上から
道ゆくものを見て思う
私とあなたのガソリンは
あとどれくらい残っているのだろう

ぼーっと立つ私に誰かがぶつかって
私もいつか持っていた荷物をぶちまける
私のありふれた喜びと悲しみ
そしてそれらは唯一だった

タクシーが人を乗せて運ぶ
トラックが物を乗せて運ぶ
私が私を乗せて運ぶ
その全てを黙って見下ろす
月はただそこにある

あなたもまだ知らない月が
私にもまだ不在でよかった

邪気を払う花束と共に
歩道橋の階段を降り
あなたが待つ車へと歩む
私が運転席に座りアクセルを踏む

投稿者

千葉県

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