知らなくていいこと
満開のラベンダーの香りに誘われて
せっせと蜜を吸いにきた蜜蜂
去年咲いていたラベンダー
去年飛んでいた蜜蜂
同じようでいてそれは違っている
蜜蜂はラベンダーの受粉になくてはならない
とは知りもせず
次から次へと飛び回っては蜜を吸うだろう
ラベンダーもまた私の安眠になくてはならない
とは知りもしないだろう
ここにいるのは誰かの何かになくてはならない
役割を担っているのか
私だけがそれを知りたいと願うのはどうだろう
いずれ私に似た誰かがまたここにやってきて
同じようにして誰かの何かになくてはならない
役割を担っていくのだろう
そう、それは知らなくていいこと
自分の花をいつどんな風に咲かせるのか
在処を探して自分にとっての蜜を吸いに行く
本当に知るべきことは
頭や言葉じゃないけれど
既に知ってるはずなんだ
コメント
知らなくていいこと。
知ってしまったら、知らないままではいられないこと。
知ってしまって身動きできなくなること。
そんなことをおもいました。
でもきっと、既に知っているに身を任せたら、自分の花が咲いて、自分の蜜を自分で吸って、嗚呼おいしいってできたら、とってもいいよなぁっておもいました。
@ぺけねこ
さん、ありがとうございます。
身をまかせたいですね〜。
人生は知らないことを知っていく旅とも言えるし、知っていることを思い出していく旅のようにも感じます。
やはり、役割、なのでしょう。日々の何気ない意思や行動が、結果的に、誰かへの影響、役割を担っている。
吉野弘さんの「生命は」という詩を思い出しました。
私も あるとき
誰かのための虻だったろう
あなたも あるとき
私のための風だったかもしれない
@長谷川 忍
さん、ありがとうございます。
あー、言われてみれば!確かに感じたこと自体がそうだしなぁ、書いた内容も吉野弘さんの『生命は』に無意識に寄っちゃったのかもなー。好きな詩なんですが、あれに叶うわけないので、意識できていたら逆張りの方向で行けたんだろうなぁ。(悶々と反省は続く…笑)