無言、山の隠者

山中に独独と翁の
震える無言に竹の揺れる
風は秋、肌寒い庵に
訥訥と無言の言の
響く、音のない祈り

喉、骨と皮ばかりの
かわいた日々に
脳は足とともに血の経由地
でしかなく
ただ、居る時間の
侘しさ、長押をぢっとみる

膝に手を置いている
老いている、我が身の
何十年を思うと
言葉は自然のなかに溶けていき
無定限の無言のなかに
老いた我が身も
溶けていく

無言の言の
祈りとささやき

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